テクニカルセミナーご案内
 山口大学遺伝子実験施設では来る11月19日(金)に遺伝子実験施設全国連絡会議を開催致します。この会議に合わせて遺伝子実験施設3階カンファレンス室でテクニカルセミナーを開催致します。ぜひみなさまのご参加をお待ち申し上げております。また、遺伝子実験施設にあります機器についてはセミナー後に各社から説明をして頂けることになっております。質問等は機器の前でもお受け致します。

 なお当日は学外の遺伝子実験施設担当教員も参加されます。席に限りがありますのでご参加を予定されている方は事前にメールでご連絡ください。参加者多数の場合は会場が変更することがありますのでご注意ください。
平成16年10月21日
山口大学遺伝子実験施設長
水上洋一

遺伝子実験施設全国連絡会議テクニカルセミナー
日時:平成16年11月19日(金)
場所:山口大学遺伝子実験施設3階カンファレンス室
スケジュール:

10時-10時30分
1.質量分析装置を用いた特異的標識試薬によるタンパク質定量と複合体の機能解析への応用
 ABI(株)

10時30分-11時
2.Q-Tofシリーズのご紹介とタンパク質解析への応用例
ジャスコインターナショナル(株)

11時-11時30分

3.機能ゲノミクス・プロテオミクス研究におけるAgilent社の最新技術のご紹介
アジレントテクノロジー/横河アナリティカルシステムズ(株)

11時30分-12時

4.リアルタイムPCR定量の各研究方面への利用
ロッシュ(株)

12時-12時30分

5.Bio-Plexサスペンションアレイシステム微量検体における多数タンパク質の高感度同時測定
日本バイオラッド ラボラトリーズ(株)

12時30分-1時
6.マイクロプレートを用いた先進のテクノロジー
(株)パーキンエルマージャパン

詳細:
1.質量分析装置を用いた特異的標識試薬によるタンパク質定量と複合体の機能解析への応用
ABI(株)

要旨
「質量分析装置はタンパク質を始めとして生体分子の解析に広く用いられております。当初、タンパク質における質量分析装置は二次元電気泳動によって分けられたタンパク質の同定に主に用いられていましたが、現在は、変動解析、機能解析、相互作用解析などさまざまに用いられるよいになってきております。
今回はそのアプリケーションをご説明させていただきます。

2.Q-Tofシリーズのご紹介とタンパク質解析への応用例
ジャスコインターナショナル(株)
要旨
プロテオーム解析で幅広くご利用いただいている質量分析計Q-Tofがタンパク質解析にどのような形で貢献できるか、タンパク質の同定、翻訳後修飾解析、タンパク質混合物の解析などを例にご紹介いたします。
多くのタンパク質はリン酸化や糖鎖付加といった翻訳後修飾を受けて初めてその機能を発現します。しかし、タンパク質のどの部位にどのような翻訳後修飾が行われるかをゲノム情報から読み取ることは難しいため、翻訳後修飾の解析がプロテオーム解析のテーマの一つとなっています。Q-TofではPrecursor Ion Discoveryによりン酸化、糖鎖付加の選択的な検出、解析 を行うことが可能ですので、その例をご紹介します。
2次元電気泳動を使用して単離したタンパク質を同定することは比較的簡単になりつつあります。HPLCとオンラインで質量分析計を接続することによりタンパク質混合物の解析も行われています。いずれにおいても複雑なタンパク質混合物、特に濃度差のあるタンパク質混合物の場合、低濃度のタンパク質を同定するには困難が伴います。RTDS(Real Time Database Searching)では測定と平行 してタンパク質の同定を行い、同定されたタンパク質由来のペプチドは測定対象から除くため、マイナーなタンパク質も同定することが可能となります。この様にQ-Tofと独自のソフトウエアを組み合わせによる、効率的なプロテオーム解析の手法をご提案したいと思います。

3.機能ゲノミクス・プロテオミクス研究におけるAgilent社の最新技術のご紹介
アジレントテクノロジー/横河アナリティカルシステムズ株式会社

1. オリゴDNAマイクロアレイの真価を最大限に引き出すポイント
2. NanoLC-MS+HPLC-Chipにおける高度な性能と使いやすさの両立
要旨:機能ゲノミクス・プロテオミクス研究においては、DNAシークエンサーから質量分析計まで、分析機器の技術革新が大きな役割を果たしています。今回のセミナーではこの分野の先端研究をさらに加速させる、Agilent Technologies社のDNAマイクロアレイとNanoLC-MS+HPLC-Chipの最新ソリューションをご紹介いたします。
1. DNAマイクロアレイはその驚くべき網羅性によって当初過剰な期待をうけ、一種のブームとなりましたが、現在はその反動から、網羅的発現解析に対する疑問の声もあるのが事実です。しかし、DNAマイクロアレイが機能ゲノミクス研究において、真価を発揮するのはこれからです。今回は、これからDNAマイクロアレイを使った発現研究を始めたいと考えておられる先生方に、その有用性を最大限引き出すための重要なポイントを解説させていただきます。また遺伝子実験施設を中心とした、発現解析のトータルソリューションシステムの構築についても、具体的にご紹介いたします。
2. 質量分析計を用いた蛋白質の網羅的解析が進むにつれ、生体に大量に存在しているタンパク質の中のsub f mol以下の微量蛋白質を、いかに高感度で効率的に分析するかが、ますます重要なポイントになっています。今回は、プロテオミクスに求められる高感度・高分離・迅速分析という命題に加え、さらに操作性のよさとシステムの堅牢さを実現したAgilent NanoLC-MSの特徴を紹介いたします。またHPLCカラム、スイッチングバルブ及びエレクトロスプレーを、クレジットカードサイズのチップに集積して究極のゼロデッドボリュームを実現した、画期的なHPLC-Chipについても紹介いたします。
多くの先生方のご来場を心よりお待ちしております。

4.リアルタイムPCR定量の各研究方面への利用
ロッシュ(株)

要旨
近年、リアルタイムPCR定量が一般的になってきており、各研究方面、特に医療面では、ますます迅速な定量装置の必要性が高まっています。ライトサイクラーは空気で温度の変化を行うために、従来のサーマルサイクラーに比べて20−30分以内でPCR反応を終了することが出来る世界最速の定量装置です。また、光学的に最適で熱効率が良好なガラス製のキャピラリーにて反応を行うために正確な定量とPCRを行うことが出来ます。取得波長の3波長(DXタイプは6波長)により、SYBR Green I 、ハイブリプローブ、Taq Manプローブを用いて定量を行います。同装置を用いて癌遺伝子などの発現定量を始め、院内感染で問題になっているMRSAなどの感染細菌や昨年世界的に騒がれたSARSなどのウイルスの検出、骨髄移植後の診断に欠くことの出来ないEBVなどのウイルスの定量を行うことが出来ます。
その他、サーチLC社による基礎研究に必要なサイトカイン、ケモカイン白血球表面抗原、アポトーシスなどの関連遺伝子定量キットを用意しています。

5.Bio-Plexサスペンションアレイシステム微量検体における多数タンパク質の高感度同時測定
日本バイオラッド ラボラトリーズ株式会社

 ヒトゲノムの解読に伴い、ゲノム情報を創薬、診断、治療にいかに還元できるかが重要な課題となっている。
もとより薬剤の標的とされるシグナル因子や確定診断に用いられる各種マーカーは単独で働くというよりはむしろ他の分子と相補的に働くので、多数を同時に測定することは有効であると思われる。この多数の同時測定を可能にする技術こそがポストゲノムの医療において必須であるが、従来法では限界がありブレークスルーが求められていた。
Bio-Plexシステムは蛍光ビーズを用いたサスペンションアレイと呼ばれる新しいタイプのアレイで、微量の検体から、多数のタンパク質を、同時に、短時間で測定することが可能である。平面型のアレイに比べ感度が著しく高く、pgオーダーでの多項目同時解析を可能とする特徴を持つ。現在、サイトカインで、Human17種類、Mouse18種類、Rat9種類まで、りん酸化蛋白質で、8種類まで、同時解析できるキットも提供しております。
 今回のセミナーでは、サスペンションアレイの技術とその応用の成果について、ポストゲノムの創薬と臨床への応用を中心に紹介したい。
お問い合わせ:06-6308-6568
日本バイオラッド ラボラトリーズ株式会社
ライフサイエンス事業本部 大阪営業所

6.マイクロプレートを用いた先進のテクノロジー
株式会社パーキンエルマージャパン

要旨
科学の進歩に伴い、実験試料が貴重になり実験系のミクロ化が進み、マイクロプレートを用いた方法が一般化しつつある。また、それに伴ってより高度なアッセイ技術が開発されてきている。
古典的応用例としては、吸光度を用いた試料定量に代表されるが、より高感度あるいは、簡便なアッセイ法のニーズが高まっている。このニーズにこたえるべくパーキンエルマーではRIに匹敵する感度の得られるDELFIAィ (時間分解蛍光法)、あるいはサンプルを添加するだけのAlphaScreenTM (発光近接法)を開発した。
AlphaScreenは洗浄行程が不要であるため、親和性の低い分子間の相互作用の観察にも適している。一方、非細胞系での再構成系ではタンパク質間の相互作用の確認に限界があり、それを克服すべく細胞内で分子間相互作用の観察のため、BRET(バイオルミネッセンスエネルギー共鳴転移)が開発され、それをより容易にすべく弊社ではBRET2TM を開発した。
これらの技術全てがマルチマイクロプレートリーダーで検出できるものであり、これらの技術を実例を踏まえて紹介する。。